症状から病気を疑う時に
どんな注意が必要ですか?
自分の症状から病気を推測することは、健康への関心を高める点で有意義ですが、誤解や不安を招く可能性もあります。以下の点に注意が必要です。
1. 同じ症状でも
異なる疾患の可能性がある
例:「腹痛」
○胃炎・胃潰瘍(心窩部痛、食後や空腹時に悪化)
○胆石症・胆嚢炎(右上腹部痛、脂っこい食事で悪化)
○急性膵炎(心窩部~背部へ広がる強い痛み)
○腸閉塞(イレウス)(腹部膨満、便秘、嘔吐)
- 例:「下痢」
○感染性腸炎(急性の水様性下痢、発熱)
○過敏性腸症候群(IBS)(ストレスで悪化、慢性下痢と便秘の繰り返し)
○潰瘍性大腸炎・クローン病(粘血便、慢性下痢、腹痛)
○大腸がん(長引く下痢、血便、体重減少)
ポイント
- 同じ症状でも原因が異なるため、自己判断だけで病気を特定するのは危険です。
2. インターネットの情報を
鵜呑みにしない

- 正しい情報源を活用する
○厚生労働省、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会などの公式サイトを参考にする。
○個人ブログやSNSの情報には誤りが含まれる可能性がある。
- 「最悪のケース」を想像しすぎない
○例:「胃痛」で検索 → 胃がんばかりが表示される → 実際は胃炎や胃潰瘍の可能性が高い
ポイント
- ネット検索は参考程度にとどめ、不安になりすぎないように注意。
3. 重大な病気を見逃さない
- 早めの受診が必要な症状
○突然の激しい腹痛
→ 急性膵炎、腸閉塞、胆嚢炎の可能性
○黒色便(タール便)
→ 消化管出血(胃潰瘍、食道静脈瘤破裂)の可能性
○持続する体重減少+便通異常
→ 大腸がんの可能性
○血便・粘血便
→ 潰瘍性大腸炎・大腸がんの可能性
○持続する胃もたれ・食欲低下
→ 胃がんの可能性
ポイント
- 「様子見」で済ませず、重大な病気のサインを見逃さない。
4. 早合点せず、
医師の診断を受ける

- ネットや自己判断で「◯◯病だ」と決めつけない。
○実際は別の病気の可能性がある。
- 「自分は大丈夫」と軽視しすぎるのも危険。
○症状が続く・悪化する場合は医療機関を受診。
- 受診時のポイント
○症状の経過を整理し、他の異常も医師に詳しく伝える。
ポイント
- 自己診断に頼らず、医師の診察を受けることが最も確実な方法。
5. 過度な自己診断は
「不安」や「治療の遅れ」を招く
- 心配しすぎると、実際の症状より強く感じることがある
○「健康不安症」など、過剰な心配がストレスとなることも。
- 「大したことない」と放置すると悪化する可能性もある
○例: 軽い胃痛
→ 実はピロリ菌感染による慢性胃炎の可能性
- 自己判断で市販薬を乱用しない
○例:「胃痛=胃薬を飲めば治る」
→ 実は胆石の可能性
ポイント
- 適切な診断・治療のためには、医師の判断を仰ぐことが重要。
まとめ
- 自己判断は参考程度にし、最終的な判断は医師に任せる。
- 信頼できる情報源を活用し、ネット情報を鵜呑みにしない。
- 重大な病気のサインを見逃さず、早めに医療機関を受診する。
- 過度な心配も軽視もせず、バランスの取れた判断を心がける。
📌 健康管理において、正しい知識と冷静な対応が重要です!